カシオは一族経営か?
カシオ計算機は、1946年に樫尾忠雄氏が創業した会社です。樫尾氏は創業以来、社長を務め、現在もその子息である和雄氏が社長を務めています。このことから、カシオは一族経営であると考える人も多いでしょう。
しかし、実際のカシオの経営体制は、必ずしも一族経営とは言い切れません。カシオは上場企業であり、経営陣には一族以外の外部取締役も多数名を連ねています。また、創業者の樫尾忠雄氏は、1988年に社長を退任し、現在も会長を務めていますが、経営の実権は和雄氏に移譲されています。
カシオの経営体制は、オーナー経営と外部取締役によるコーポレートガバナンスがうまく融合したものです。オーナー経営のメリットであるスピード感と柔軟性を維持しつつ、外部取締役による客観的な視点と経営の透明性を確保しています。
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カシオ一族の経営への影響
とはいえ、カシオの一族が経営に全く影響力を持たなくなっているわけではありません。創業者の樫尾忠雄氏は、現在も会長として経営に参画しており、経営方針にも大きな影響力を持っています。また、和雄氏も一族経営の意識が強く、経営陣に一族を登用しています。
しかし、一族経営といっても、カシオの場合は、単なる世襲ではなく、能力主義に基づいています。和雄氏は、社長就任前に、数々の海外事業を成功させ、経営者としての能力を証明しています。また、一族以外の経営陣も、能力と実績を備えた人材です。
カシオ経営体制の強み
カシオの一族経営とコーポレートガバナンスの融合は、同社の強みの一つとなっています。創業者の理念と価値観が継承されつつ、外部取締役による客観的な視点と経営の透明性が確保されています。これにより、カシオは長年にわたって安定的な成長を続け、現在では世界的な電機メーカーに成長しています。
カシオの今後の経営体制
カシオは今後も、一族経営とコーポレートガバナンスの融合という経営体制を維持していくものと思われます。これにより、同社は創業者の理念と価値観を守りながら、外部取締役による客観的な視点と経営の透明性を確保し、持続的な成長を図っていくことが期待されます。