映画『K.G.F:CHAPTER 1&2』雑感

映画『K.G.F』CHAPTER 1と2を受講しました。154分と166分をはしごして履修しました。サラームロッキーバーイご存じになりました!
凄かった。とてつもなく凄かった。ロッキー兄貴マジ兄貴。
とんでもなくて語彙力が溶ける。サラームロッキーバーイかカラシニコフしか言えなくなる。ロッキー兄貴~!!
あの、本当に凄く凄くて凄かったので良かった。(??) サラームロッキーバーイ!!!!!!!!(!?)

人生とは『K.G.F』前と『K.G.F』後である。
今、わたしはとても燃えています。俺の中で小宇宙が爆発してるぞ。うおおおお!! パワー!
……おかしい。何を書いても頭がサラームロッキーバーイな文章になる。わたしの頭おかしい文章だけでは何一つお伝えできねえから、まずは予告を観てくれ。頼む。

はい。暴力こそパワー!!!!!!!! まどろっこしいから暴力で解決しようぜという心意気が伝わりますね。はい。
あらすじはこちら。

映画『K.G.F』CHAPTER 1あらすじ

1951年、スーリヤワルダンはコーラーラ近郊で金鉱(KGF)を発見。全てを一族で管理して巨万の富を築くいっぽうで、労働者は外部から遮断され奴隷のように働かされていた。

同じ年にスラム街でひとりの少年が生まれる。少年は唯一の身内であった母を10歳のときに亡くし、生き残るためにマフィアの下で働き始める。ロッキーと名乗った少年は、マフィアの世界でのし上がっていく。やがて最強のマフィアとなったロッキーは、ボスからKGFの支配者であるスーリヤワルダンの息子を暗殺するよう指令を受けるのだが…。

公式サイト様で紹介されているあらすじの通り、ある一人の少年がマフィア界に立ち、のし上がっていく物語。そして……おっと、以降はネタバレなので畳みますね。

その前に『K.G.F』のネタバレのない感想をお伝えします。冒頭でTWINさんのロゴが出るシーンとスペシャルサンクスで登場するあの俺たちにとってレジェンドな例の監督のお名前には、応援上映時にフロアが一気に熱くなるところだな…と深々と頷いていました。
応援上映を未来で待ってます!🕶
叔父貴、一生のお願いだ。皆でサラームロッキーバーイがしたいです!!

以下、ネタバレ含む雑感は畳むので履修終わった後にクリックしてお読みください。対戦よろしくお願いします。

▼ ネタバレもある雑感を開く


直後の感想がこれ。

皆! 木槌は持ったか!? もうね、本ッ当にまことに非情にとてつもなくべらぼうに鬼凄かった。物語も音楽もアクションもキメシーンも日本語字幕もとにかく激しくメロディアスで情熱的で、coolで格好良い。
予告通り、容赦のない暴力! 暴力!! 暴力!!!! 血飛沫も血みどろもオンパレードなのですが、不思議と爽快なんですわ。
しかも暴力だけじゃねえのよ。常に知略をめぐらすロッキーがcoolを超えてるぜ。超coolだ!! 痺れるでしょこれは。サラームロッキーバーイとカラシニコフしか言えなくなる。頭がサラームロッキーバーイになるし、頭カラシニコフになる。(?)

そうそう。154分と166分を乗り切るために、先人の尿意対策の知恵に従い、私はそれぞれのchapter鑑賞前にカステラを食って臨みました。chapter2開始前まで20分あったので、猛ダッシュでお手洗いを済ませ、競歩自己ベスト更新の勢いで外へ出て木陰でカステラを食い、映画館に戻りポップコーンとドリンクを買い、着席しました。ありがとうmovixさん。広いのでトイレも長蛇の列とならず、シアターも入り口も同じ1階で助かりました。これからもお世話になります。

話がずれました。
父親超えというのは、古今東西の少年のテーマではあると思うのですが、母親のとてつもなく深い愛も宜なるかな。
そう。これは、ある村の母親が下した決意の物語――
そして、母を早くに亡くした一人の少年がのし上がって皇帝となる物語――
現代の神話だった。全て遠き理想郷だった。お母さんがとにかく強い。ロッキーがお母さんから贈られた言葉は祝福でもあり、呪いでもあり、苛烈で深くて重くて大きな“ 愛 ”なんだよなあ。

テレビレポーターが元ジャーナリストから発禁処分となったとあるギャングの男の物語を聴くところから始まるのですが、この入れ子構造で物語が進む方式。語り部……俺たちのサンホラじゃん。Sound Horizonじゃん!!
可能であればこちらの俺たちのロッキー兄貴を讃える熱い歌は劇場で初めてご存じになっていただきたいんですが、たまらないので紹介しちゃう。

これ聴いた瞬間、何故か『Moira』の「雷神域の英雄」思い出して痺れておりました。

雷と母の愛くらいしか共通点がないかもだが、ロッキーの火と雷と暴力に愛された男の神話がさあ。こちらの殿下が思い出されてむねがいっぱいになりましたとも。
……オタクくんってばす~ぐ見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込む~。

ロッキーの母に限らず、登場する母親達が皆さん強くて逞しい。ロッキーが潜入したK.G.Fで殺された少年の母然り、ファルマン少年の母然り。ラミカ・セン首相もインドの母なんだよなあ。とにかく強い。ロッキーは若くして苦労した母親のことがあるからか、彼女たちのことをいつも丁重に扱うんだよね。敵対するラミカ首相にも直接挨拶に行っているし、手っ取り早く暗殺しないであくまでも知略巡らせて戦うんだよな。
『バーフバリ』のデーヴァセーナといい、インドの土地で生きる母親ってどうしてこんなにも果てしなく強くて美しいんだろう。風土や環境、カースト制度、そうした問題も内包しているからかな。インド神話の時代からきっとそうなんだよね。勉強不足ですまない。でも、もっと知りたい学びたい欲を刺激されますよね。学ぶぞ。

もうさー、一文毎に文末にこればっかり埋め込んでしまうのだけど、この世のエンタメ要素をありったけ全部ぎゅっと詰め込んで暴力の火でガンガン燃やして頭カラシニコフのおもしれ~つよつよ映画でした! エンタメ要素全部盛りで全部おもしれーの何なんだよありがとう助かる助けて!!
ロッキー役のヤシュがとんでもなく逞しくてつよつよなんですよ。何だあの格好良くて強くて猛々しい獣のようで神話の生きる戦士のようなしなやかさは! サラームロッキーバーイ!!!!!!!!
ごめんなさい。やっぱ何書いても頭おかしくなってしまう。

chapter1と2で物語の雰囲気ががらっと変わるのもまた凄かったよね。1の潜入&暗殺☆大作戦も燃えたし、2のマフィア対政治家。社会~!!も良かった。
chapter1であんなにエンタメ要素も暴力も全部メガ盛りしたのにchapter2で更に特盛りしてくださるって何? ロッキー、お前がNo.1だ。
少年がのし上がっていく物語ではあるんですが、陰鬱で過酷となりがちな下積み時代は象徴的なシーンしか挟まれないし、語られない。なのでストレスなくストーリーが進んでいくんですね。2では権謀術数渦巻いてるし、ド派手にぶっ込みに行くし。でも、暴力だけじゃなく、頭脳戦も仕掛けるロッキーがさあ。最高なんですよ。そんなどんでん返しある? あった! 頭が良い~! それなのに一目惚れしたリナちゃんの前だとIQ2にまで下がる兄貴が面白すぎました。リナちゃんもツンが強いお嬢様で銃器ぶっ放してくれるゾ! chapter2でのとある告白シーンにとんちんかんな返しをする兄貴と「はわわ」となる叔父貴大好き。
いや、ほんっと、アクションはガンアクションもカーアクションも1対多勢も血飛沫も血みどろも容赦なく畳みかけてくるんですよ。ロッキー兄貴が一番愛したのステゴロアクションだよね。兄貴の超絶アクションを見た少年が「人間ってあんなに飛ぶの?」と俺たちの気持ちを代弁してくれるシーン、大好き!

ロッキーが血のつながりはないのにカリムを「叔父貴」と呼び慕っているのは、カリムがボスであるシェッティの部下だからなのか。
ヤクザモノあるあるのボスのことを「親父」と呼ぶので、側近は叔父貴となるんだろうな~。

印象的だったのは、母と子の物語であったということ。
ロッキーが母と自分を顧みなかった父親を母の墓守に命じたシーンも、ファティマが涙ながらにロッキーの元に懇願するシーンにも胸が熱くなった。
あと、背中を預ける相棒や友人、側近が出てこないのも印象的だったなー。これに関してはロッキーも述懐してるんですが、一匹狼だよな。火と雷が生み出したダイナマイトだもんな。
アナンドとヴィジャエンドラの父と子の物語でもあったよね。父を忌み嫌う息子二人の物語だった。
リフレインといいますか、過去のシーンや台詞を借用する借景句/本歌取りもめちゃめちゃ上手い映画だったよね。雨漏りからロッキーを護る母、終に逝く母を護るロッキー。カラシニコフもまさかあんな風に本歌取りしてくるとは思わなかった。凄かった。

インド映画、まだまだ鑑賞し始めたばかりの初心者ですが、登場人物達が目で訴えてくるの、凄く好きだな。キメシーンも驚愕シーンも目で語ってくれる……。台詞なくとも「はわわ」「アイエエエ」が伝わるの、いいよね。癖になる。お茶汲みの青年、めっちゃ好き。俺たちの気持ち全部代弁してくれる。

登場人物が多いし、特に髭のおじさん率が半端ないのですが、事前情報仕入れずとも、「考えるんじゃない、感じろ」で5時間あっという間に溶けました。
公式サイト様が相関図を公開してくださっているので、予習するともっと深くご存じになれたかな~と思っています。


髭率高ェ! 半分以上髭!!
ロッキー兄貴のパネエ格好良さもさることながら、アディーラもヴィランを超えたヴィランで格好良かったよねえ。敗北をわすれないために銃弾を残すって臥薪嘗胆でもあり、乙女かな?
皆は殿堂入りしたロッキー兄貴以外でどの髭イケオジが好き? 私はワナラムとカシム叔父貴とカリーム殿でベスト髭イケオジ賞の投票迷ってる。
いや~、それにしてもヴァイキングをリスペクトするインドのつよつよ戦士、めっちゃ新鮮でしたね。そのうちインドのつよつよサムライやつよつよニンジャも登場するかも知れない。(?)

こちらとパンフレットを熟読してから2回目観に行きたいな。大ヒットして劇場で何度もおかわりできますように。なむなむ!
いや~、『K.G.F』ってほんっと素晴らしいものですね。最高の5時間をありがとうございました!

▼ 閉じる

インド映画は、『RRR』が初めて観た作品でした。とてつもない面白さとパワーに転がり落ち、その後、『バンバン!』『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』『ブラフマーストラ』を観てどんどん沼にハマりつつあります。
モノローグをあんなにも明るく激しくエモーショナルに歌とダンスで表現するインド映画ってめっっっっちゃ楽しいですね。いわゆるモブの人々も途方もなく尋常じゃなく多いし、アクションド派手すぎて痺れるし。圧倒されて骨抜きにされています。
インド映画をご存じになってから、心が豊かになりました。俺は森で生まれ…無知だった。『ブラフマーストラ』のスーパーイケオジ科学者のシャー・ルク・カーン氏の映画も9月に来るそうで夏乗り切って生きねば!と、力がガンガン湧いております。パワー!