新作歌舞伎『FINAL FANTASY X』を観劇して感激した話

新作歌舞伎『FINAL FANTASY X』を観劇し感激しました!
完!

またしても元気よくタイトル一つで何もかも終わってしまった。

オーケーオーケー、第二稿。
新作歌舞伎『FINAL FANTASY X』を観劇して猛烈に感激して無事異界送りされました!!
無事じゃないが???????? とてつもなく素晴らしくて大火傷しました本当にありがとうございます! くそっ、文字数増やしたのに何一つこの胸の奥で燃える熱い想いを伝えられないジレンマ。私はこの重い想いを形容する言葉を知らない……。

そんなわけで、3月12日(日)に新作歌舞伎『FINAL FANTASY X』を前編・後編通して観劇しました。いや~良かった。とてつもなく良かった!
役者さんたちがFFX登場人物ご本人すぎるし、声も見得も立ち廻りも格好良い! 「俺たちはスピラの住民だったのだ?」という没入感に浸れるし植松さんの楽曲和楽器アレンジが良良良ー良・良ー良良。サントラを! サントラ発売を何卒お願いします!!
最後かもしれないだろ? 全部、話しておきたいんだ。この胸に熱く湧き上がる感想も思い出も。

感想を綴りし者のスペック

FF歴:FINAL FANTASY4~7、8・10までプレイ済み。エンディングも自力で鑑賞済み。8のみは未プレイ。兄がプレイしていたのを時々観てました。RPGも魔法もファンタジーもFFシリーズで学んで教育されました。イフリートやシヴァって何だろうと辞典の読み方を学んだのもFFのおかげだと思う今日この頃。植松伸夫さん音楽で耳が育ったし、今でもここぞというときにサントラを聴いています。NTT出版さんの資料集読むの大好きでしたし、分厚いアルティマニアも楽しく読んでおりました。
歌舞伎歴:なし。文学史で学んだレベルの知識。観劇経験ゼロ。
舞台観劇歴:学校行事で観劇したことがあるレベル。自分で劇場に足を運んだ経験はゼロ。 

歌舞伎も舞台も初めてのうえに、FFをリアルタイムで遊んでいたのも遠い記憶になりにけり。そんな自分でもFFX歌舞伎楽しかったよ~!
歌舞伎はずーーっと観る観る詐欺働いていて、かつて夢中で遊んだFFXの歌舞伎が工事の都合でいつか終わる夢となるステージで上演されると聞き、清水の舞台から飛び降りる心地で今回観に行ったのですけれど、めっっっっちゃくちゃ良かったです(早口)
迷っている方いたら背中押しに行きます。
……うん、でも、予算・時間・体力の3条件がまず揃わないと難しいよね。私もおかわりしたいけれど石油王から早急に口座に振込ない限りなかなか厳しい…。
でも、寒すぎず暑すぎず、杉花粉飛散状況はヤバいけれど身軽に出かけることができる浮き足立つこの春に最高の演目を観られる幸せは全人類に味わってほしい。迷っている方いたら背中押しに行きます。大事なことなので何度でも言う。

ネタバレなしFFX歌舞伎観劇メモ

★舞台公式情報
豊洲は「IHIステージアラウンド東京」にて4月12日(水)まで絶賛上演中です。
詳しい劇場情報は『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』公式サイト様の情報ご参照よろしくお願いします!

Q.9時間も戦えますか?
A.『RRR』をINTERRRVALなしで鑑賞の実績が解除されていれば無問題。
…というのは半分冗談で半分本気の本質情報です。
休憩時間取り除けば、観劇時間は6時間ほどなので。バーフバリ民は伝説の誕生と王の凱旋見届けるようなテイストなので大丈夫大丈夫。
……一幕ごとに20分の休憩時間あるし、トイレもマジで動線スムーズですし誘導もスムーズだったし、待ち時間のストレスないので僅か20分でも余裕で動けますよ〜。
観戦の実績解除済みの先輩方の評判通り、プロテスクッションが硬すぎず柔らかすぎずちょうど良い塩梅でした。尾上菊之助さんのお心遣いにBIG感謝。
トイレに用がなくとも座りっぱなしは疲れるのでロビーや入り口外までちょっと出て、凝りをほぐすことをお勧めします。
あと、後編ラストは2時間ぶっ通しです。観戦前に大福を食べて尿意対策をして臨みました。ありがとうTwitterの有識者たち!
参照元:長い映画を観る前には『餅』を食べるとトイレに行かなくなるらしい「ロードオブザリング(3時間48分)の時に映画オタクたちが共有していた知識」

 

★用意して良かったもの
・FFXを遊んだ思い出(泣くぞすぐ泣くぞ絶対泣くぞほら泣くぞ)
・翌日の休日(余韻に酔いしれたまま体力回復できます)
・大福(前述した後編ラストの尿意との戦いでの立役者)
・現金(パンフレット購入時、現金支払い列に並べるので大変快適です)

★座席・劇場内の様子について
座席は前述の通り、尾上菊之助さんご配慮の通称プロテスクッションのおかげで前後編の長時間バトルも身体痛めることなく鑑賞できました。前方の席でしたのでオペラグラスなしのまま役者さんの表情がばっちり見えました。
ただ、背の高い方が真ん前の席で、ちょっと見づらいシーンもありました。深く寄りかかられても身長の高低差はどうにもできぬ…。隣席が偶然にも空席だったのでそっちにひょいひょい首伸ばして観ていたのですけれど、後ろの席の方からしたら滅茶苦茶にお邪魔だったかもしれません。ごめんなさい。

★客層
老若男女年齢層豊かでした。
和服をびしっと着こなしたマダムもいらしたし、着物お出かけ楽しんでいるお姉様もお兄様もいらっしゃったよ〜。座席に深く腰掛けることができるよう、後方座席にも迷惑にならないよう帯は工夫されているご様子でした。和服不勉強すぎて、我には何結びかはわからん。前後左右の周りの座席への配慮も忘れない和服戦士は好きになっちゃうな~。
また、親子連れで鑑賞している方を数多くお見かけしたのが印象的でした。発売当時にFFXを遊んだお兄さんお姉さん方が時を経て家族になって自分たちの子ども連れてきたのかと思うと目頭が熱くなった。まさに主催の尾上菊之助さん世代なんだろうな。お子さんは丑之助くんさんさま世代だった 笑 素敵作品の伝説はこうして語り継がれていくんだなあ。
当方ソロ参戦でしたので、誰とも感想を分かち合えなかったのですけれど、周囲の皆さんの感想やFFXプレイ当時の思い出に後方彼氏面しながら頷いておりました。お、俺も会話に加わりたかった…!!

★混雑状況
上演開始後、初めて迎えた日曜日に観戦しましたが、まだまだ座席に余裕がありましたよ〜。
Twitterの高度な情報戦でお馴染み、評判が評判を呼んできっとこのあとチケットが取りづらくなる奴じゃん? 俺は詳しくないけど知ってるんだ。
……明かさなくても良さそうな情報だけど、このあと争奪戦で最後かもかもしれんからね。綴っておく。実はSS席で観ました。比較的前列に位置した座席です。上演開始一週目で隣の席も前方も数列分空席がありました。このあと争奪戦勃発で最後かもしれない光景だったかもだ(?)
IHIステージアラウンド東京の劇場は、このFFX歌舞伎終演後に工事のため閉館されます。この舞台で、この豪華すぎる歌舞伎俳優さんたちによるFFX歌舞伎を観てご存じになれる機会は、最初にして最後です。いつか終わる夢じゃなくて、4月12日に終わってしまう夢なんです。良い機会があればぜひぜひ観に行って欲しいな。背中なら押しに行くから。

 

★食事について
自分は日曜日観戦組でした。
前編と後編の間には、90分ほどの中休みがあります。自分はゆりかもめで豊洲駅まで出て、ららぽーと内でサクッと早めの夕食を済ませて戻りました。花粉症の民には外でお弁当はチョット厳しかったので…。


ジェクトさん!! ららぽーと行くのも大いにアリでは? 笑

豊洲市場が開かれている平日にお出かけならば、そちらでご飯食べるのもありかも?
事前予約で百貨店のお弁当も注文できますし、近くにコンビニもありますし、キッチンカーも出店されているのでコラボメニューにこだわらなければそんなに困らないのではないかと…。自分が観に行った日(3/12)は日曜日ということで2台来てくださってました。北欧ご飯とパスタ店だったかな。

ちなみにステアラ内コラボメニューは、コラボドーナツが前編開演頃には一旦売り切れ、前後編の入れ替え中休みで復活していた模様です。飲み物は終日ずっと発売されていた様子でした。コラボではないお弁当類は前後編の入れ替え中休みで売り切れとなっていました。

ネタバレありFFX歌舞伎観劇雑感

ネタバレもしているのでこれから鑑賞控えている方は引き返してくださいお願いします。(真顔)
熱いパトスが迸りすぎて、だいぶ何を書いているのか自分でもわけわからんことになってます。メモなので仕方ないよね。

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数日経っても興奮がまだ醒めない…。凄いものを観て浴びたな~~と改めて。究極魔法アルテマでしたとも!
ストーリーよくぞここまで削ぎ落として、でも大事なシーンは零さず全部ぎゅぎゅっと詰め込んでFFXの好きな魅力を一つも損なわずに美味しい料理として仕上げてくださったなというのがもうたまらなかった。FFXを愛した尾上菊之助さんが紡いだ究極にして至高の夢の成就を、我々も祈り子として立ち会えたのがこの上なく幸せだったなと心から思います。

前編で2.5次元・歌舞伎入門、後編で「世界よ、これが歌舞伎だ」を全力で魅せてくれたよね。
衣装の華麗さ優美さにもドキドキしましたが、スピラと和の融合ヤバない? ヤバい。
どの衣装もFFXなのに、歌舞伎世界の住民だったんだよ~。ユウナの花嫁衣装はドレスで白無垢で和と洋の究極魔法だった。シーモア老師率いるエボン寺院の人々、ドレスフィア駆使してる。間違いない。

繰り返しになってしまいますが、歌舞伎俳優さんたちがFFXの世界そのものから飛び出してきたのかな????というくらい、ご本人でした。何を言っているのかちょっと自分でもよく分からないんですが、まごうことなくご本人でした。
尾上菊之助さんはリアルではもうパパ世代とのことですが、どうみても快活な海の向こうから来た少年でしたし、世界の重圧を小さな肩に背負い、健気で儚げで守りたくなる少女ユウナを演じていらした中村米吉さんは至高にして究極の少女でした。いや、女方って本当に凄いね。どこからどうみても可憐な女の子だった。皆好きになるじゃん。初恋泥棒じゃん(?) キマリじゃなくても近づく者には通せんぼしたくなる可憐さだった。豊洲ピラの誇る無形文化遺産でしょ……。
中村橋之助さんのワッカも板東彦三郎さんのキマリもご本人すぎて登場時の見得に「はわわ…」と声が出そうになりました。声が本当にご本人だったよね。中村ワッカ橋之助さんの兄貴分なのに迷える若者っぷりも、板東キマリ彦三郎さんの尻尾ピコピコしていたのもたまらなかったし、他のロンゾ族と並ぶと一番小柄でブチ上がりました(!)
ルールーを演じていらした中村梅枝さんの気怠い感じの色気がたっぷりでくらくらしたし、植村吉太郎さんの天真爛漫な賑やか係のリュックの愛らしさもすっごく素敵でした。

観劇をキメたきっかけの一つが中村獅童さんがアーロンを、坂東彌十郎さんがジェクト、尾上松也さんがシーモアを演じているのを耳にしたことだったんです。そう、我こそは「鎌倉殿の13人」ロスを患った者……。お三方とも格好良かった。最&高。俺は外で泣く……。
彌十郎さんジェクト、めっちゃジェクトパパだった。不器用で息子を誰よりも可愛がりたいのに素直にそれを表現できないパパみが凄まじかった。好き! 尾上丑之助くんさん演じるちびティーダからかうシーンには「いじめんなァ――!!!」となったし、ラストの親子シーンには泣いた。丑之助くんさんさまの未来の演技も勝手に大いに楽しみにしてるぜ…。
「伝説の剣士アーロン!」
中村アーロン獅童さんの天元突破した見得を嫌う奴いる?
いねえよなあ!!?

そして忘れられねえのが、尾上松也さんのシーモア。ガードに立ちはだかる巨大な壁にして、最っ高に湿度たっぷりの影の主役でした。前編後編共にシーモアとの戦いがあるのですけれど、尾上松也さんの“強者”感が凄かった~。衣装が大きくド派手に変わる演出に魅せられましたし、余裕たっぷりにガードの皆さんと戦う姿もたまらなく良かったです。
ゲームをプレイしていた頃は、「うちのユウナに必要以上に接近するのやめてもらえます????」と激おこモンペになっていたものですが、FFX歌舞伎でシーモアの物語も深掘りされていて(アルティマニアで公開された情報を物語として組み込んでくれていた)、シーモアに対する気持ちの持ちようが大きく変わりました。彼の心情・信条に共感はできないけれど、哀しみには傾聴できる。自分自身が年を重ねたというのもあるのかもしれないけれど、死の螺旋に囚われた世界スピラへの果てしない怒りと静かで激しい哀しみを湛えた尾上松也さんのシーモア、とても素晴らしかったです。
ジェクトとティーダ、ブラスカとユウナ、ジスカルとシーモア。確かに親と子の物語だった。
もしもシーモアの生きてきた世界がもっと違えばティーダやユウナとの出会い方も違っただろうし、関係性ももっと大きく違う何かになれたのかもしれないな。

役者さんたちの熱演も世界観構築もFFXへの愛溢れていて最高なんだが、植松さんのあの数々のFFX楽曲の和楽器アレンジが最高に素敵でした!!
冒頭の「ザナルカンドにて」流れた瞬間、だばだば泣きました。好きな曲「襲撃」「彼方の炎」も和楽器アレンジたっぷり聴けて胸が熱くなりました。思い出補正もあるとは思うけれど、あのときあのシーンで心焦がれたあの植松さん楽曲が、和楽器アレンジで新たに息を吹き込まれて生で聴ける喜びはプライスレスでした。
マカラーニャ寺院でのシーモア戦にて皆大好き「シーモアバトル」流れたのも激アツでした。最&高でブチ上がりました!
何よりも熱かったのは、シーモアとユウナのガードたちそれぞれの戦いに合わせてキャラのメインテーマとシーモアバトルをメロディアスに掛け合いしてくれたんですよ…! それがもうねえ、熱演とも合わさって最高に熱くて。良良良ー良・良ー良良すぎる。
ワッカは「ブリッツに賭けた男達」、ルールーとリュックは彼女たちのテーマ曲、キマリは「極北の民」、アーロンは(※友ジェクトとの約束を果たすためだと思われる)「Otherworld」の和楽器アレンジでした。役者さんたちの立ち廻りの迫力との合わせ技でちょっと泣いた。ノビヨ師匠のプログレ節全開の「Otherworld」の和楽器演奏が未来で聴けるよとスピラの世界を駆けていたあの頃の私に教えてあげたい……。
生で熱い演技も音楽も観られる聴ける喜びは天井突き抜けて多幸感とてつもない。ありがとうございます。
FFX歌舞伎のサントラをぜひとも発売してください。よろしくお願いいたします。一生待ってる!!!!!!!!

歌舞伎とFFの合体魔法凄いを実感したのはユウナレスカ戦での八岐の大蛇でした。
歌舞伎とFFXの合体魔法に膝を打ちましたとも!
原作「FINAL FANTASY X」でもスピラの世界は、ビサイド島にキーリカ島、ルカ、ブリッツボールに津波、異界送り……と生活の要にして豊かさの象徴でもあり災厄でもある水との深い関わりが描かれています。世界の死の螺旋を終わらせることを決断した一行に立ちはだかるユウナレスカがさあ、水神とも言われている八岐の大蛇として立ちはだかるのめっっっちゃくちゃぞくぞくしました。
1000年もの長い間に囚われていた死の螺旋を断ち切るってまさに神を倒して超越することにも等しいよなあ…。
ユウナレスカを演じていらした中村芝のぶさんの1000年生きていそうな貫禄もとてつもなく痺れたし、どこまでも凛と艶やかで美しくて格好良かった。1000年もの長きに渡る怒りも哀しみも絶望も希望も全部孕んでいた。いや、これは人間が1000年生きても出せない美しさですよ。歌舞伎俳優さんって凄い…。そう思った。
召喚獣も凄く召喚獣だったし、とてつもなく傾いてた。毛振りとんでもなかったよね…。小学2年生男子みたいな感想しか言葉にできねえ。すげー!!!!!!!!

サビのように繰り返しますが、数日経っても遅効性魅了魔法にじわじわやられているわけで。でも、このとんでもなく幸せなステータス異常は解除したくねえよなあ。
前編でユウナのガードの皆さんが、初登場時に名乗り口上を披露してくれるシーン、一番Overkillされたのは中村アーロン獅童さんでした。
中村獅童さん、自分で伝説の剣士と名乗って教えてくれるジェントル剣士じゃん…とじわじわしていたところに「友との約束果たすため待ちわびた歳月は優曇華の花待ちたること久し(大意)」
(頭パーンとなったのでうろ覚えですまない)(でも優曇華の花って言ってた)
と語ってくださってですね。目から幻光河溢れ出すの止まらんかったよ…。
友ジェクトの手を借りてティーダをスピラに連れて行く瞬間って、3000年に一度花を咲かせる優曇華の花のそのひとときを待つのと同じくらい、否、それ以上に長い長い10年で、それこそ永遠にも等しいくらい待ち侘びた決着の時の訪れだったんだよね…。
スピラの世界に優曇華の花があるのかはわからないけれど、仏教や古典で我々がよく知るそのワンフレーズで、僅か一節でアーロンの胸に去来するであろう色々を全部詰め込んで見得で伝えてくれる歌舞伎って凄いね…。
ブラスカとジェクトとの旅とその行方を知るFFXプレイヤーの皆さんは胸を押さえたり天を仰いだと思うし、こちらの歌舞伎でFFXの物語をご存じになった方も心の柔らかいところに突如正宗で鋭角に突き刺されたんじゃないです? 少なくともあのシーンで僕はOverkillされたし、異界送りされるところだった…。

ユウナの異界送りや世界で一番ピュアなキスシーンをミストや巨大スクリーン、天井のミラーを存分に使って、このIHIステージアラウンド東京ならではの演出を大盤振る舞いしてくれていて、舞台演出もエンタテインメントなんだ!を全身で観て聴いて浴びて体感できて楽しかったです。
ブリッツボールの試合をどうやって表現するのか想像つかなかっただけに、あの演出には椅子から転げ落ちそうになりました。おもしれー舞台すぎるよ。これ、後世に語り継ぐべき伝説の試合じゃん。
あと、ブリッツチームの皆さん、バク宙キメていましたが、歌舞伎ってそういうこともされるんですね???? 凄い……。
たまらなかったのは、花道を駆け抜けて一気に観客をFFXの世界に誘ってくれたザナルカンドエイブス応援団の皆さんかな。「俺たちもザナルカンドの住人だった?」という没入感すごかった。
そして、歌舞伎入門やFFXへの誘いで観客たちにわくわくする気持ちをたっぷりと届けてくれた中村萬太郎さん演ずる23代目オオアカ屋の巧みな語りも観客を引き込む万有惹力もとてつもないパワーで圧倒されました。あのやさしくて力強い語り口で歌舞伎ってそんなに遠い世界じゃないのかも、という心持ちになれました。

今回鑑賞したFFX歌舞伎、登場人物それぞれの小気味よい名乗り口上は元を辿れば戦での武士の名乗りだし、現代でもプリキュアやドンブラザーズなどにも受け継がれているハートでもあり、挨拶なんだよね。歌舞伎は伝統芸能でもあり今を生きる演劇なんだな、と深い学びを得ました。
あんなにも気持ちよく小気味よく名乗り上げてくれると、そりゃあ、観ているギャラリーとしては「よっ! 〇〇屋!」と屋号を叫びたくなるよね〜〜!!

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床の皆さんによる和楽器の生演奏も臨場感たっぷりの附けも、役者さんたちの見得に入るコールというのかな、屋号叫んでくれる方の声も全てが熱くて気持ちよい空間でした。
FFX歌舞伎、とっても楽しくて熱くて素敵な究極魔法です。
初めて全身で浴びた歌舞伎がこのFFX歌舞伎で本当に良かったな、得がたい体験をしたな~という心地よさに今も酔いしれています。
素敵なものを観たな。もっと歌舞伎を観たいな〜という気持ちが高まっています。異界送りされたようで、この焦がれた熱い想いを昇華できず、死人の如く地上を彷徨う魂になってしまった。ブラスカ先生、歌舞伎を観に行きたいです。もっと観たいです。