『タイニー・ベル令嬢と慰めの報酬』第6話と掌編のこぼれ話

1月29日に第6話「三人寄れば」、掌編「自然の摂理」を更新しました。
今回はイザベルのターンです。

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イザベルたち女学生の放課後ティータイムでした。
前日譚の掌編で登場していたイザベルの友人、グレイスとマーガレットを本編にお招きできました。初等部からの付き合いの三人組です。宣材のタイトルにも三人の瞳の色をチョイスして一人でニコニコしています。
女学院入学前からイザベルはヘンリーと正式に婚約をしているので、グレイスとマーガレットにとっても、クラスメイトたちにとっても特に二人の婚約関係については珍しい話題ではありません。今日もイザベルを殿下ネタでからかうのは楽しい。ヘンリー殿下とイザベルのときめき☆トーークでランチがうまい。そんな感じです。授業中にクラスメイトがイザベルの耳の呪いに視線を注いじゃうのも無理もないよネ。「その立派な長ネギに殿下は何と仰ってるの?」「婚約者の耳に立派なネギ、殿下(の良心)は無事なの?」とざわざわします。

登校自粛中なのでスクールライフは描けませんでしたが、イザベルの学院や普段の様子について触れることができて楽しかった回です。
ヘンリーの一番上のお兄様の名前もようやく登場しました。出番がなくてごめんなさいということで、掌編にちょっぴり登場しています。
ヘンリーが臣籍降下をするので妃教育なるものは受けていないイザベルですが、第一王子と第二王子の奥方にはきらきら憧れています。彼女はヘンリー含め、周りがお兄ちゃんばっかりなのでお姉様というものに対する憧れはとても強いです。憧れのお姉様に恥じないようにがんばるイザベルは可愛いなあと思いつつ、ちょっぴり面白くない今日のヘンリーなのでした。(今日のでんか)

グレイスは上にお姉さんが一人、メグことマーガレットは弟が一人いるお嬢さんです。男兄弟しかいないイザベルとマーガレットからすると、グレイスは二人よりもちょっぴり大人びているようです。が、グレイスの発言の端々から溢れ出ていますが、グレイスのお姉様も「推し事」をがんばっているタイプです。イザベルの呪いの元凶であるヘンリーの同僚二人とは仲良くなれるかもしれない。ただ、このグレイスのお姉様は「推し」と「好き」は別次元であることを理解していて、第一王子妃やハートリッチの演劇は見るだけで満足し、明日の活力に変えるのが上手なひとです。妹のグレイスはだいぶ巻き込まれていますが、それもまた楽しいのでOKのようです。
イザベルとグレイスが妹なのに対し、唯一の姉であるマーガレットは二人の取り扱いが上手な子です。三人の中で一番機転が回るのもこの子かな。最近の悩みはおばあさまがハートリッチの演劇に熱中しすぎていることです。特典の記念栞をコレクションすると言い出しませんように、と願っています。

続きまして、掌編「自然の摂理」について。
この掌編を踏まえて今回の第6話と次回第7話を読むとちょっぴり微笑ましさが増します。お兄ちゃんたちは弟たちが可愛くてしかたがないし、そんなお兄ちゃんたちを弟たちは大好きなのでした。
やっと「氷の王子様」こと第三王子デイビスの名前を登場させることができました。ラグランドも王子様の叔父である猫好きの公爵閣下も掌編でなかなか彼の名を呼ばないものだから登場が遅れました。
長兄レオナードがあまりにも立派すぎるので兄上には叶わないなあと思う弟たちなのですが、お兄ちゃんはお兄ちゃんで可愛い弟たちに恥じない兄であろうとしています。

困ったときは第二王子殿下という法則が私の中でできあがっていて、またしてもラグランド視点でのお話でした。第二王子ラグランドと奥方ベルマの物語もいつか書けたらいいなあと温めています。ベルマは元々第一王子妃候補だったとか、「三国一美しい王子」と謳われるラグランドには妃になりたがるお嬢さんがなかなかいなかったとか。兄のスペアをやめた王子様と一番星には届かなかったお嬢様の物語。いつか機会がありましたら。

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次回第7話は2月5日(金)21時に更新いたします。残りあと2話です。楽しんでいただけますように。