『タイニー・ベル令嬢と慰めの報酬』第7話と掌編のこぼれ話

2月5日に第7話「切手のない手紙」、掌編「父なるもの」を更新しました。
今回もイザベルのターンです。

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女学生と王子様のうきうきそわそわ☆おうちデート回でした。待つことに慣れている王子様は、お嬢様からの不意打ちに弱い。テストに出ます。
ヘンリーが魔術師として独り立ちしている一方、イザベルはこの夏に卒業を控えていますが、まだ学生なのでお互いに年齢差を一番感じさせられる時期かな。この時期ならではのドキドキ☆イベントにわくわくドキドキしたことでしょう。周囲が。末の王子様と小さなレディの微笑ましい関係に、護衛騎士と侍女はこの12年、腹筋と表情筋を鍛えられています。

ヘンリーがつい漏らした本音、「同じ教室で授業を受けてみたかった」について。二人は4歳差なので仮に共学の学校に通っていたとしても同じ時間に同じ学び舎で過ごすチャンスはなかったのでした……。同じ教室での甘酸っぱさを経験するならば、同い年ならば良かったのかという話ですが、結婚できる年齢までどのみち待つことには変わりないのでヘンリーは現状に不満はないようです。「むしろ年上の余裕を見せられるので現状の立ち位置が良いはずだ」とは三兄デイビスの談。ヘンリーがやさしい大人のお兄さんぶろうとしているのが、お兄様ズからすると面白くて可愛くて仕方がありません。今日もうちの末弟が可愛い。

イザベルが勉強していた歴史は、拙作『Celeste』の舞台でもある聖都ファティマ史です。地続きの世界観なのでした。とてもどうでも良い情報になってしまいますが、ヘンリーとイザベルの父と兄が所属している王立魔術研究所はジークが現在絶賛休暇中でおなじみのところでもあります。専攻分野も研究室も異なるのでヘンリーとジークは直接会うことはないのですけれど、オーキッド侯爵も高名な魔術師なのでアートルム家とはそこはかとなく面識はある……かも。世界観繋がりでお話ししますと、『金色の午后』で登場する王都クラースは隣国にあたります。

話がずれてしまった。12年ほど待っているイザベル待ちのプロ王子様ことヘンリー殿下は、年下の婚約者殿が可愛くて可愛くて仕方がありません。時にはからかったり、ちょっと意地悪なこともしてしまい、自分で自分の理性を試すというちょっと可哀想なアクシデントもしばしば。殿下はかわいいねえ。いい子だねえ。

女学生の制服には浪漫と夢がいっぱい詰まっている――
を楽しんだ回でもありました。どぉるキャラメイカーさんや、Twitterの落書きではつい趣味全開のセーラー服で遊びましたが、特に詳しいデザインは表記していません。なので、第6話と第7話の女学生たちは、セーラー服でもブレザーでもワンピースでもお好きなかわゆいデザインでお楽しみください。
ヘンリー殿下はポニーテールが好き。テストに出ます(?)

掌編「父なるもの」について。
本編の初稿ではこちらが第7話のラストでした。お父様を乱入させるかどうか、最後まで悩みました。4回ほど本編終盤を書き直して、「次回が最終回だもんな、出し惜しみはよろしくないな」ということで砂糖を増量し、現在の第7話となっています。やきもきするお父様が大好きすぎるので掌編にリサイクルとなりました。ちなみに第二王子殿下はオーキッド家に出入りして散々娘を持つ父親という生き物の悲しみを目の当たりにしていたはずなのに、侯爵と同じ道を辿っています。笑

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次回第8話は2月12日(金)21時に更新いたします。とうとう最終回です。イザベルとヘンリーの恋物語、見守っていただけますように。